ティツィアーノとヴェネツィア派展
2017/3/2
上野東京都美術館で開催中の『ティツィアーノとヴェネツィア派展』に行ってきました。
今回の目玉はポスターにもなっている≪フローラ≫
美人ですね~、しみじみ美人。
日本人好みの派手すぎない美しさです。
ずっと見てたら自分もキレイになれそうです。
残念ながら気のせいですが。
ルネサンス期のヴェネツィアで大活躍をした巨匠・オブ・巨匠のティツィアーノ・ヴェチェッリォですが、
日本では驚くほど知名度が低いです。
とにかく長生きで、あの時代で88歳の大往生を遂げました。(出生年は諸説あり)
若いときに描いた作品に後年手を加えたり、共作があったりと、年代の判断がとても難しいそうですが、
まぁ難しいコトはうっちゃり、純粋に作品の美しさにウットリします。
細部をよーく見ると、油絵の筆致が猛烈に荒く、
それでも距離を置くとしっかり布地や肌の質感が描き分けられているのに驚きます。
テッツィアーノの息づかいが感じられそうです。
平面に“描く”表現方法を、時代を猛烈に先取りして追求しまくっていた人物として、
歴史的にも超重要人物だと思っています。
その他、同時代のヴェネツィアの作品や、ティツィアーノの後の時代に活躍する
ティントレット、ヴェロネーゼらの作品が来ています。
昨年、六本木の国立新美術館で開催された『ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち展』の時は、
410×240 cmと圧倒的スケールの、サン・サルバドル教会の祭壇画≪受胎告
知≫が来日し、
まるで印象派のような光をとらえた筆致心底驚愕しました。
ルネサンス期のヴェネツィアってこんなにおもしろいのか!と感動したのに比べると、
やや地味な印象の展覧会ですが、おかげで混雑もなく(ポジティブにとらえる)
じっくりと鑑賞をすることができました。
4月2日まで。オススメです!
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